Fooled Eyes (2006)
①クサさ ★★★☆☆
②高揚感 ★★★☆☆
③衝撃度 ★★★★★
④演奏力 ★★★★★
⑤構成力 ★★★★☆
⑥ジャケ ★★★★☆
⑦満足度 ★★★★★
ブラジルのプログレッシブメタルバンド、Thesseraの1stです。プログレッシブメタルの中のプログレッシブメタルという感じで、細かく手数が多くて複雑な楽器隊に、コロコロ変わる変拍子が絡むという感じです。プログレにありがちな近未来的な音の雰囲気に、ところどころジャズ等のメタルではあまり聞かない音遣いが絡むのが特徴ですね。また、こんな複雑な中でもサビは一聴してサビとわかるキャッチーさを兼ね備えているのも魅力です。強いてナンを挙げるなら、ちょっと語りの部分がちょっとくどいかな。ストーリー上必要なんでしょうけど。
#1 Le chef d'oeuvre★★★★☆
最初からテクニカルなインストナンバーです。人の声のSEも取り入れながら、ノリの良いロックで次の曲に繋ぎます。
#2 The Gallery★★★★☆
7拍子を基調としつつ、4拍子になったり9拍子になったり。曲調もどんどん移り変わっていきます。テンポはかなり急いている感じで、全パートともにテクニカルです。そんな中でもサビは爽やかで、一聴してサビとわかるのが良いところですね。
#3 Broken Psyches★★★★☆
また7拍子を貴重とする曲です。全曲に比べるとちょっとポップ寄りで陰りのある雰囲気です。4分頃の6拍子パートの雰囲気は大人な香り。メタルでこういう繊細な音遣いはなかなか珍しいですね。サビはかっこいいロック調です。
#4 Candlefire★★★☆☆
ちょっと妖しげな3拍子の曲です。しかさドラムパターンは複雑でギターも動きまくりです。サビはいつの間にか4拍子ですが。
#5 The Leading Roles★★★★☆
繊細なバラードです。しかしここでも7拍子が混ざるところがミソです。ピアノとアコギが細かく混ざり合って幻想的です。メロディーは印象的ではありませんが、感想のギターはエモーショナルでクサイです。
#6 Party's On★★★☆
ジャジーなイントロはおよそメタル感がありません。その後普通にロックになるかと思いきやまた曲調が変わり、大人の香りのロックになります。全体にジャジーなピアノ遣いなどが目立つ、大人なナンバーです。拍子はコロコロ変わります。
#7 Inverse★★★☆☆
不思議な曲です。ちょっと近未来的な音遣い。ちょっと散漫すぎて印象には残りづらいかな。人の声のSEもちょっと耳につくかも。それでもサビはそれだとわかる感じなのは強みですね。
#8 Confragration★★★★☆
前曲と似たような感じの近未来的な音遣いなのですが、3分頃のピアノはスリリング。4分頃の音の上げ方は何か映画風で不穏ながら荘厳ですね。サビはキャッチーでエモーショナルのが魅力です。
#9 Heaven's Gate★★★★☆
前曲から連続して荘厳な映画音楽のような雰囲気で始まります。そして期待の高まるクサめのパートに続き、静かに曲が始まります。アルバムの中では一番キャッチーで、わかりやすく盛り上がる曲ではないでしょうか(それでも拍子やリズムは複雑ですが)。7分頃の雰囲気はプログレな雰囲気ながらエモーショナルといううまい両立をしていますね。